陸屋根にも太陽光パネル(ソーラーパネル)は設置できます。しかも、多くの陸屋根では穴あけは不要です。架台でパネルに傾斜をつけ、アレイは2つの方法のいずれかで固定します。重量で押さえる置き基礎(バラスト)か、屋根構造への固定金具です。どちらが適するかは、屋根が負担できる追加荷重、風の受けやすさ、防水層を開口してよいかどうかで決まります。
本ガイドは、産業用・住宅用建物の陸屋根に太陽光架台を計画する施工会社とEPC事業者向けです。アレイを固定する2つの方式、バラスト量の算定方法、傾斜角と配置の選び方、着工前に屋根で確認すべき項目を取り上げます。
置き基礎式か穴あけ固定式か:アレイの固定方法
陸屋根のアレイは、置き基礎(バラスト)式か穴あけ固定式のいずれかです。置き基礎式は屋根の上に置いてコンクリートブロックで押さえるため、防水層を貫通するものはありません。穴あけ固定式は屋根下地または構造体にボルトで固定し、すべての固定部に防水処理が必要です。
| 置き基礎式 | 穴あけ固定式 | |
|---|---|---|
| 固定方法 | コンクリートブロックと架台自重 | コンクリートスラブまたは屋根構造へのアンカー |
| 防水層への穴あけ | なし | あり(各部を防水処理) |
| 屋根への追加荷重 | 大きい(バラスト分の重量が加わる) | 小さい(重量ではなく固定金具で風の吹上げに抵抗) |
| 適する条件 | 荷重に余裕のある屋根、防水シートを貫通できない屋根 | これ以上の荷重を負担できない屋根、風の影響が非常に大きい建物や高層建物 |
| 注意点 | 屋根の許容荷重、端部・隅角部でのバラスト増量 | 全固定部の防水処理、屋根施工業者の承認 |
多くのプロジェクトは置き基礎式から検討します。防水層に手を加えずに済み、将来アレイを移設・撤去しても穴が残りません。固定金具を使うのは、風荷重計算で求められるバラストを屋根が負担できない場合で、軽量屋根や高層建物で生じます。
Megawaの陸屋根用架台3製品は、通常は置き基礎式で設置します。屋根が十分なバラストを負担できない場合、Matrix ECOとMatrix ELITEはアンカー固定にも対応し、Nova TRIPODはコンクリート基礎への設置や、コンクリートスラブへのケミカルアンカー固定も可能です。

陸屋根の太陽光架台に必要なバラスト量
一律の数値はありません。陸屋根に作用する風荷重は建物ごとに異なるため、バラスト量は屋根ごとに構造計算で算定します。主な要因は次のとおりです。
- 風速地域と地表面粗度区分。敷地の設計風速は、現地の基準によって定まります。
- 建物高さ。建物が高いほど、屋根面での風は強くなります。
- 屋根上の位置。吹上げは隅角部と端部で最も大きくなるため、外周の列には屋根中央部の列より多くのバラストが必要です。
- 傾斜角。傾斜が急なパネルほど、多くの風を受けます。
- 配置。東西配置は列同士が風を遮り合うため、通常は南向き配置よりバラストが少なくて済みます。
架台の設計によってもバラストを減らせます。Matrix ELITEは低く傾斜した形状により、風がアレイを持ち上げるのではなく押し下げるように作用します。また、ベースレール下にオプションの摩擦マットを敷くと、屋根面とのグリップが高まります。いずれも屋根が負担するバラストを削減します。
Megawaのエンジニアは、JIS C 8955、ASCE/SEI 7またはEurocode EN 1991といった現地の風荷重基準に基づいてプロジェクトごとにバラストを算定し、お見積りとともに計算書をお送りします。ブロックの個数と、各ブロックの配置位置まで示します。他の屋根のバラスト計画は流用しないでください。ある屋根の中央部で成立する計画でも、別の屋根の端部では重量が不足する場合があります。荷重計算の詳細はこちら:構造設計。

陸屋根に適した傾斜角
陸屋根のアレイは多くの場合、10〜15°程度の低い傾斜角で設置します。傾斜を緩くすると風荷重、バラスト、アレイ間隔を抑えられ、屋根により多くのパネルを載せられます。設置地点の緯度に近い急な傾斜角ではパネル1枚あたりの発電量が増えますが、その分屋根面積とバラストが必要になります。
トレードオフは次のとおりです。
- 傾斜角が大きいと架台が高くなります。受ける風が増えるため、バラストの増量またはより強固な固定が必要です。
- 傾斜角が大きいと影が長くなります。アレイ間隔を広げる必要があり、同じ屋根に載せられるパネル数が減ります。
- 傾斜角が小さすぎると水や汚れが溜まります。雨水を流すには、ある程度の傾斜が必要です。
Megawaの各製品は対応範囲が異なります。Matrix ECOは5°〜30°で調整可能、Matrix ELITEは5°・10°・15°の固定角です。Nova TRIPODは0°〜45°で調整でき、高緯度地域で有効です。高緯度では急な傾斜角にすることで冬季の発電量を確保できます。

南向き配置か東西配置か
東西配置は屋根により多くの容量を載せられ、南向き配置はパネル1枚あたりの発電量が多くなります。大規模な産業用屋根では、通常は東西配置が有利です。
| 南向き | 東西 | |
|---|---|---|
| 列の構成 | 太陽に向けた単列、列間に間隔 | パネル2枚を背中合わせ、組間の間隔は小さい |
| 同一屋根の設置枚数 | 少ない | 多い |
| パネル1枚あたりの発電量 | 多い | 少ない |
| 1日の発電の推移 | 正午前後にピーク | 朝夕に分散 |
| バラスト | 通常は多い | 通常は少ない |
| 適する条件 | 小規模アレイ、パネル1枚あたりの発電量を重視する現場 | 総容量を重視する大面積屋根 |
Matrix ELITEは両方の配置に対応します。Matrix ECOは南向き配置用のキットです。Nova TRIPODも両方に対応し、ユニット単体での独立設置も可能です。


最初に確認すべき屋根の項目
架台を選ぶ前に屋根を確認してください。屋根の条件が、その他すべての制約を決めます。
- 許容荷重。架台、パネル、バラストを合わせた追加重量を、構造体がどこまで負担できるかを把握します。構造設計者の確認を受けてください。築年数の古い屋根ほど余力が小さいことが多く、そうした屋根でこそ低バラスト型やアンカー固定の架台が役立ちます。
- 屋根仕上げ。防水シート、コンクリート、金属デッキでは、それぞれ異なる対応が必要です。架台の脚部が屋根仕上げを傷めないよう、架台下に必要な材料を屋根材メーカーに確認してください。
- 屋根の保証。置き基礎式は穴を開けないため、新たな浸水箇所は生じません。ただし、屋根上の設置物について独自の規定を設けている保証もあるため、着工前に屋根材メーカーまたは屋根施工業者に確認してください。
- 端部と隅角部。風の吹上げはここで最も大きくなります。端部からアレイまでの離隔距離と、外周列に必要なバラスト量は構造計算で決まります。
- 排水。ルーフドレン、雨樋、排水経路をふさがないようにします。架台が屋根上の水をせき止めてはいけません。
- 設備と障害物。空調機、天窓、換気口は影を作り、保守用の動線も必要です。これらを避けてアレイを計画してください。
屋根別に選ぶ陸屋根用太陽光架台
| 製品 | 傾斜角 | 配置 | 固定方法 | 選定の目安 |
|---|---|---|---|---|
| Matrix ECO | 5〜30°(調整式) | 南向き | コンクリートバラスト、必要に応じてアンカー | 部品点数の少ないシンプルなキットで角度を選び、プロジェクトコストを抑えたい場合 |
| Matrix ELITE | 5°・10°・15° | 東西または南向き | コンクリートバラスト(オプションの摩擦マットで削減可)、必要に応じてアンカー | 許容荷重に制約のある大規模な産業用屋根 |
| Nova TRIPOD | 0〜45° | 単体、列、南向きまたは東西 | バラスト、コンクリート基礎またはケミカルアンカー | 急な角度や正確な角度が必要な場合、障害物を避けて配置したい場合 |
詳細仕様は各製品ページをご覧ください:Matrix ECO、Matrix ELITE、Nova TRIPOD。3製品ともAL6005-T5アルミ合金とSUS304ステンレス製締結部材で構成し、耐食性を高めるアルマイト処理を施しています。設計耐用年数は25〜30年、製品保証は12年です。防水シート、コンクリート、金属デッキの陸屋根に対応し、Nova TRIPODは緩勾配屋根にも適しています。
勾配屋根については、屋根材別の太陽光パネル取付金具ガイドをご覧ください。
陸屋根の太陽光架台に関するよくある質問
陸屋根に穴を開けずに太陽光パネルを設置できますか?
はい。置き基礎式はコンクリートブロックと架台自重で押さえるため、防水層を貫通する固定はありません。構造体が追加重量を負担できれば、ほとんどの陸屋根に設置できます。
太陽光パネルの設置は陸屋根の保証に影響しますか?
置き基礎式は穴を開けないため、新たな漏水箇所は生じません。ただし屋根の保証によっては、架台下に敷く材料など、屋根上の設置物に関する規定がある場合もあります。設置前に屋根材メーカーまたは屋根施工業者に確認してください。
太陽光パネルの設置で陸屋根にかかる重量はどのくらい増えますか?
架台、パネル、バラストのすべてが屋根荷重に加わります。屋根ごとに最も大きく変わるのはバラストで、風速地域、建物高さ、各列の位置によって決まります。追加荷重は構造計算で求め、屋根の許容荷重と照合します。
陸屋根の太陽光パネルは強風でも安全ですか?
現地条件に合わせてアレイを設計していれば安全です。構造計算は現地の風荷重基準に基づき、吹上げが最も大きい端部と隅角部にバラストまたは固定金具を追加します。低い傾斜角と東西配置も風荷重の低減につながります。
金属製の陸屋根に太陽光パネルを設置できますか?
はい。Megawaの陸屋根用架台3製品はいずれも、防水シートやコンクリートに加え、金属デッキ屋根にも対応します。勾配のある金属屋根には、屋根材の形状に合わせた架台を使用してください。Solaris WAVEは折板屋根・波板屋根用、Apollo SEAMは立平葺き屋根(縦ハゼ屋根)用です。
陸屋根への太陽光パネル設置のお見積りには何が必要ですか?
寸法入りの屋根図面、屋根の種類(防水シート、コンクリート、金属デッキ)、設置場所、パネル型式、目標容量をご用意ください。可能であれば、屋根の許容荷重と高さ制限もお知らせください。これらの情報をもとに、架台の選定、アレイのレイアウト、バラストの算定を行います。
陸屋根プロジェクトの計画
屋根図面、設置場所、パネル型式をお送りください。架台の選定、アレイのレイアウト、現地の風荷重基準に基づくバラストの算定を行います。販売代理店向けに、サンプルとOEM/ODM条件もご用意しています。
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